ビリンギリでの民泊

 モルディブの首都マーレからビリンギリ島にやってきました。ビリンギリ島は地図には「ビリマル」の地名で載っています。空港のあるフルマーレと首都のマーレ、そしてビリマーレの3つがあるのだと島の人は教えてくれます。片道3.25ルフィア(約20円)の船に乗りながら、まだ見ぬ島に想いをはせています。

ビリンギリ島に到着

 

 8月9日(金)午後2時30分にビリンギリ島に向かいました。民泊でお世話になるAnnet一家がマーレのホテルまで迎えにきてくれ、いっしょにフェリーに乗りました。ビルがところせましと並ぶマーレの島が小さくなっていきます。

       

 

Annetさん家族との写真はたくさんありますが、諸事情のため旅行記からははずしています。(多分たずねればOK!が即答されるとは思いますが小さい子がいるので…)さて、事前のネット検索ではほとんど写真がなかったビリンギリ島に到着です。

 

ローカルマーケット

 

 マーレとビリンギリを結ぶフェリーは早朝から深夜遅くまで運行しています。ビリンギリ島はマーレをはじめとする多くの島々で働く人々が多いからでしょう。そのターミナルのまん前にはローカル色満点のお店があります。

 

 

 20ルフィア(約120円)のココナッツを指差すとこのおじさんが熟練の技で素早く外側をカット!あっという間にココナッツジュースのできあがりです。ターミナルに用事があるときやお散歩の合間にmamaはこの店に通います。

 

 

 一周しても30分くらいの小さな島ですが、首都のマーレに負けないくらい通りには旗がひるがえっています。ターミナルからAnnetの家までは5分。漁港の雰囲気を楽しみつつ、通りの店などを紹介してもらいました。ドイツの方なのですが私達にとっても気をつかってくれます。実は私達は民泊としての最初のお客さんなのです。(ラッキー)

 

 

港から徒歩5分

 

 民泊というとホームステイスタイルを想像しますが、使っている建物が大きくて部屋や棟を貸してくれるシェアハウスもあります。この大きな建物のある階をすべてお持ちのAnnetさんからその半分を借りる契約です。セキュリティーがとても厳重です。

 

 

 奥に見える扉から入ってきました。靴はここでぬいで下足箱へ。建物の中すべてが土足禁止です。海からもどってくる住人もいますから、管理の方がいつもていねいにお掃除をして清潔感がいっぱいです。階段を昇っていきましょう。

 

 

お部屋はこんな感じ

                                                

 階段を昇って左側がお借りした部屋です。右側に大家さんのお部屋があります。2つの部屋はつながっておらずそれぞれ独立しています。寝室の天井にはファンがありスピード調節が可能。窓の作り方が上手にできていていろいろな方向からいつも風が入ってくるので快適でした。

 

 大きめのベッドとクローゼットがあり、収納が大容量で便利でした。また、洗濯物を乾かすスタンドもついていました。キッチン兼居間はものすごい大きなソファーや大型テレビがあります。食事や学習に利用しました。

 

 

 キッチンにはガスコンロがついています。食器や包丁にまな板と何でもそろっていますので自炊は十分に可能。湯沸しポットでコーヒーや紅茶を作り、それを冷蔵庫で冷やしいただきました。バスタブはありませんが、温水シャワーとトイレがいっしょになっていてピカピカです。

 

 

 

ちょっと周囲を散策

  

 家の前にハンモックベッドが随所にみられます。個人所有のものも多いのでしょうが誰が寝ていてもおこられることはありません。「おもてなし」のひとつと考えてよいのかも。その他にも大きな木の下や集会所のようなところに公的なハンモックベッドがあり皆くつろいでいます。

 

 

 ビリンギリ島は首都マーレや近隣のリゾートで働く人が多いのか、日中は女性や子ども達が目立ちました。2階から気軽に声をかけてくれたり、食事を作りながらこっちに微笑みかけてくれるのは皆子ども達です。観光客があまり来ないせいか、大人たちはじーっとこっちを見てうさんくさそうなものを見る感じ。

 

大きくて新しいモスク

 

 日本スタイルをつらぬき、合う人合う人の目をみて軽く頭を下げていきますが大人から反応が返ってくることはありません。でも無関心とはちがってベールの奥の目がこちらを注意深くうかがっています。島で一番大きく新しいモスクがみえてきました。

 

 

 そっけない大人たちの表情とは裏腹に、散歩しながらこの島の魅力を随所に感じます。島を覆っている大きな木が人々に安らぎをもたらしていること、すべての街角が丸い作りで見通しが良いこと、小さな子ども達があちこちでみられ必ず大人がよりそっていること、何気ないひとつひとつに大きな価値を感じます。

 

 

海の美しさ

 

 ここビリンギリ島には3つのビーチがありどこも本当に美しいです。陽のあたる時間帯や干満によって島の人たちは訪れるビーチを変えています。島民だけではなく、マーレに住んでいる人たちもフェリーに乗ってこの島へやってきます。

 

 

 以前、この島はリゾートとして開発されたそうです。が、マーレの人口増加に伴い住宅地として利用するようになったそうです。ハンモックベッドでうとうとしていると、幸せそうな家族連れを何組も見かけました。

 

 

 服装に制限はありますが、海で遊ぶ子ども達のはしゃぎ方は共通です。島の中は男でも海パンで上半身裸はNGです。女性の肌の露出はさらに注意を必要とするので、海で泳ぐときはTシャツとズボンか、ダイビングショップで売られている薄い生地のウェットスーツがおすすめです。

 

とっても暮らしやすい!

  

 ホームステイとはちがって玄関もちがうシェアハウスのスタイルは、ウイークリーマンションと同じで気兼ねがいりません。頼みたいことや力になってもらいことがあれば玄関を出て隣のオーナーに何でも話せますし便利です。mamaは洗濯が好きなので部屋の中にランドリールームがあるのでとても気に入っています。

 

ビリンギリ最初の食事

  

 ビリンギリ島での最初の夕食の時間になりました。宿から徒歩5分のところにあるネオンの店は毎日通うことになるDadu Dadu Cafeです。でもこの時にはこじんまりしたこの島に似つかわしくないネオンが妖しい雰囲気。一応中に入って「メニューみせて!」と頼むと、メニューを出してくれるのはこの上の店だよとこの建物の2FのGOOSEBERRYを紹介されました。

 

 

 

 メニューがあるレストランは島ではこことフェリーターミナル横のXie Xieレストランだけのようです。お客さんがいっぱいで「時間がかかるけれどよいか?」といわれOK。でもお腹が減っているのでレジ横のガラスケースに並べてあるおやつをたのみました。三角ちまき揚げは2ルフィアで小さいのが1ルフィアですから8つで約80円。チキンカレーは35ルフィア(約230円)です。

 

 

 チキンライスは40ルフィア(約260円)その他フィッシュアンドチップスが55ルフィア。チキンビリヤニが65ルフィア。お水の中ボトルが10ルフィア。そして弟くんリクエストのアイスクリームのダブルが25ルフィア。ここに6パーセントの消費税と10パーセントのサービスチャージが上乗せされます。

 

ビリンギリ島の朝

 

 8月10日(土)旅行3日目の朝をビリンギリ島で迎えました。朝5時のコーランはこの島でも鳴り響きます。周囲が明るくなってきたので朝のお散歩に出てきました。水平線に雲があるので日の出は雲の中で赤く光っています。

 

 

 ビリンギリからマーレに行く船とビリンギリに到着するフェリーが交差します。マーレの夜を支える仕事から帰る島民と早朝のマーレに仕事に出る島民の交差でもあります。深夜から朝方も船は動いているようで、そのことがマーレが眠らない島だと感じさせます。

 

 

 フェリーターミナルすぐ横のビーチは朝の人気が高いです。水泳なのか水浴びなのかわかりませんが朝はこのビーチにぷかぷかと浮かぶ人たちを見かけます。このビーチの先に見えるのがマーレです。

 

パンと果物の朝食

 

 朝の散歩でマンゴーと食パンとバナナを購入してきました。今回の旅行では手持ちのUSドルを持参しているのですが、ビリンギリ島のお店の多くでUSドルが使えました。10ドル出して物を買っておつりがルフィアできますから、それを繰り返すうちに現地通貨がたまってくる感じです。お店によってはUSドルとルフィアの交換に応じてくれます。

 

本日のスケジュール

 

 朝食後のお勉強タイムです。この時間mamaは洗濯や手芸をし、私は島をほっつき歩くのが何とも命の洗濯です。昨日は金曜日なのでマーレで買い物ができなかったので、来たばかりではありますが今日は一度マーレへ行き、滞在のための食品などを買出しにすることに決めました。

 

 

 ビリンギリ島のフェリーターミナルです。船は15分も待てば次々と出発するのでとても便利です。イスが木で作られ船に固定されているこのタイプが多いです。窓際のmamaが「あれイルカじゃない?」というので外を見ると10匹以上の群れがマーレに向かって泳いでいました。

 

 

島の反対側から

 

 マーレの高いビルが近づきます。到着したターミナルを出るとタクシーがやってきますので乗り込みます。島内はどこまで行っても20ルフィア(約130円)だから安くて便利。大きな荷物がある場合は10ルフィアの追加です。タクシードライバーは町の抜け道をびゅんびゅん飛ばしますが、荷物の積み出しトラックのためしばし立ち往生。

 

魚市場の2階の食堂

 

 魚市場にやってきました。今日のお目当てはここの2階の食堂です。下で魚を買ってこの食堂で料理を作ってもらうこともできるようです。チャーハンの横に卵焼きがのっているものがならんでいました。時間が昼食にはまだ早くあまり料理が出ていないようなので町中に行ってみることにしました。

 

おみやげ通りは要注意!

  

 市場からちょっと街中に入っていくと何やら日本語の看板があります。「竹中直人のお店」などと書かれたここは妖しいお土産通りらしく客引きがいっぱいでした。ここを通るときは客引きが何を言っても無視がおすすめです。わらぶきの門のあるThe Olive Gardenでお昼ご飯です。

 

  

 お客さんがいっぱい入っていました。2階席の天井ファンが回っている下に通されてメニューを拝見。弟くんはライムジュースがおいしいらしく味わって飲んでいます。マーレのレストランはいろいろなところで見かけますが、ビリンギに比べると値段は高めですね。

 

  

 私が注文した巨大なツナピザは80ルフィア(約530円)コーラは14ルフィア。みんなに1ピースずつ食べてもらいましたが残った半分をたいらげるのが大変なほどの大きさでした。チキンカレーは40ルフィアでいもカレーが30ルフィアです。

 

 

 子ども達はジェラート屋さんでデザートタイムをとる間に私はスキューバダイビング用品を扱うお店を見つけ、マーレからダイビングに行くツアーが無いかたずねました。すると機材は売っているが潜りに行くツアーとの提携がなく、リゾートとダイビングがセットになっていることから潜りに行くことを受け付けているお勧めショップがないとのことでした。お店の方の知り合いのフィリピンの方とも電話で話してみましたが言葉がちょっと理解しづらくもう少し考えてみることにしました。

 

STOトレードセンター

 

 mamaがネットで見つけたSTOトレードセンターです。大きなスーパーマーケットが入っているので寄りました。ビリンギリ島にはスーパーマーケットは無いので今日は買出しがメインです。500ccのお水が3ルフィア(約20円)ですからこのあたりを規準に考えると物価の高い安いがわかりやすいですね。

 

 

 モルディブはインドに近いこともあり、インドから輸入されたものはとっても安く購入できます。でも日本の調味料やアメリカのお菓子などはその国の定価で売っていますからちょっと高めですね。白いユニフォーム姿のスタッフがいろいろな仕事をこなしていました。

 

ビリンギリへ

  

 たっぷり買いこんでビリンギリ島行きのフェリーターミナルにタクシーで向かいました。通りに出ると交通量はいっぱいですがタクシーを捕まえることは結構大変です。手を上に上げずに目の前に水平に出して合図します。雑踏のマーレを離れてビリンギリ島に戻ることが嬉しく感じます。

 

  

 子ども達はひょいひょいと慣れた感じで乗船し、いつも空いている後ろの方に席をとります。前の方は常連さん達がひしめくことを知っているからです。天気が良く海がきれいなのであっという間に船はビリンギリ島到着です。

 

 

島についたら

 

 フェリーを降りてすぐのローカルマーケットではmamaがヤシの実を選んでいます。どれも同じだろうと思うのですがmamaがそれをこだわる理由があります。それはヤシの実ジュースを飲んだあとで二つに割ってもらい身をすくって食べるからです。それをすくうスプーンもおじさんがヤシの実で作ってくれます。実が若いとこの部分があまり無いのです。

 

 

 いろいろと買い出しをしてきました。この宿にはフルキッチンがありますから調理して食べるのも楽しくなります。オーナーさんに話をして無線ランのパスワードをもらえばネットが使えるようになります。ただし島なのでWEBを見たりメールチェック等の軽いもの程度ですがつながるだけでも十分です。

 

ぷらっとするのが気持ちいい

 

 島にいる間はずっとお天気に恵まれ、あちこちで洗濯物が干されていました。飲み水とは別に洗濯など、生活で使われる水が貯水されそれを皆で使っているようです。宿の水道もシャワーも真水が出ますが、シャワールームの足元の水道をひねって出る水はしょっぱかったのです。

 

 

 早朝に海で水を汲む男達を見ます。汲んだ水をどこかに持っていくのと、その後リヤカーに水をのせて家をまわっています。飲み水ではない水の一部は海水を簡易浄化して使われているのかもしれません。ここは朝来たビーチを奥に5分ほど歩いた場所で、水がきれいなので撮影してみました。

 

 

 島を歩くと大きな木がいっぱいです。その根っこが複雑に絡まっていて枝との見分けがつかないものも少なくありません。でもその木陰は格別で人々の憩いの場所になっていきます。島の暮らしと自然と家族の結びつきを深く感じます。

 

adu adu Café

 

 ビリンギリ島最初の夜にそのネオンの妖しさを感じたDadu dadu Caféです。今日はテイクアウトを中心に注文してみることにしました。中に入ると満面の笑みでスタッフが迎えてくれます。フライドライスやカレーを注文してお持ち帰りができるのを座って待ちます。冷蔵庫を見ると絶対に飲んではいけないような色と質感のジュースがコップに作り置きしてあるので毎日一杯飲んでみることにしました。(結構うまいんです。でも体調の良い日に飲んでください)

 

 

 男どもは少々の金を払って木の皮や葉っぱに妖しげな粉をかけてかんでいます。もちろんドラックではないので、すすめられちょっとかんでみたら鼻の中にミントなスプレーが駆け抜ける感じ。酒の飲めない国ならではの工夫ですね。さて、フライドライスがこぼれんばかりに詰め込まれます。

 

 

 持ち帰ったチキンカレーもフライドライスも大好評です。できたてということもあるのでしょうが、調理がしっかりしているのかうまみが濃いように感じます。Caféではかなりの数を注文しても800円から1000円でおさまる感じです。

 

夕飯食ったら海へ

 

 急に振り出した雨の後海に出てきました。徒歩2分という好立地。(まあ島のどこに住んでも5分で海には行けますが)道に雨水のプールができて海岸線と同化しています。オレンジ色に沈む夕日をながめながらビリンギリ島生活の二日目が過ぎていきました。

 

何も無いけどファーストクラス

 

 

  必要を超えるようなもの…は、この島にはあまり売られていません。でも不便には感じませんでした。自分が子どもの頃も同じだったような気がしたからです。子どもの頃はお世辞にも豪華とは言えない食事でも、腹が減っていてそれなりにうまいと感じていました。そして腹を満たすこと以上に、家族みんなで食卓を囲む幸せに安らぎを覚えていた気がします。この島のハンモックベッドに身をあずけていると、不思議とそんな子どもの頃の記憶がよみがえってきます。良く言えば初心にかえれる。行儀悪く言うと、面倒くさい大人の都合なんてどうでも良く思えてきます。シャンパンもコース料理もサーブされませんが、自分が大切にしてきたものをちょっと思い出させてくれる、素朴で最高級のシートだと思います。あなたが思い出すのはどんな場面でしょう?座りに来ちゃいませんか。

 

 

ビリンギリメインページに戻る  ホームページに戻る